消防士 岩本 真明さん(08B)
体を張って人の命を救う仕事への想い
私が小学6年生の時、ニューヨークで同時多発テロが起きました。その現場で活躍されている日本人がいることを知り「そのような人たちのようになりたい」と感じたことが今の私の原点になっているなと思います。その一方で、いろいろな世界を知りたいという好奇心もあり、「まずは大学生活で視野を広げよう」と中村学園大学流通科学部に入学しました。経済学部と商学部の両方を学べる点が良いと考えたのです。実際に入ると、期待通り。講義を通して企業の方からお話を聞く機会もあり、様々な仕事について深く知ることができました。サービス業やものづくりの世界など、多種多様の分野に興味を持つことができたので、とても有意義な学生生活でした。しかし、在学中に起きた東日本大震災のきっかけもあり「やはり体を張って人の命を救いたい」という思いから警察官や自衛隊などの試験にチャレンジし、航空自衛隊に入隊しました。
自衛隊時代は情報職として裏方で働いていたこと、地元である唐津や学生時代を過ごした福岡から離れ、日々の生活に悩みが多くなり、次第に自分の人生について疑問を抱くようになりました。「一体自分はどういった人の役に立ちたいのか」と自問自答を繰り返し、一念発起して自衛隊を退職しました。世界の平和を守る仕事から、故郷の平和を守る仕事がしたいと地元で消防士になるというご縁を頂きました。消防士は狭き門ですが、人生最後の挑戦と思い切って臨んだことがよかったと思います。消防士の仕事の魅力は目的がはっきりしていることです。どんなに厳しい訓練も人命救助のため、自分の命を失わないためだと思えば乗り越えられます。大学生や就職されたばかりの方にはぜひ、自分自身を徹底的に鍛えて強くなり、目標に向かって何があっても乗り越えていくことの大切さを伝えたいです。
岩本さんの活動内容
生まれ育ったまち・唐津で消防士として活躍する岩本さん。消防士の仕事は消火活動が主と勘違いされがちだが、救急隊・救助隊としての活動も仕事内容のひとつ。岩本さんの普段の仕事も病人やケガ人を救急車で搬送する活動が最も多いのだとか。自身の子どもの頃の思い出が詰まった場所で遊ぶ子どもたちを見ると「この笑顔を守るためにがんばっている。このまちの災害から人々を守っている」とホッとした気持ちになるそう。