本日、学位記を授与され、見事ご卒業された皆様、誠におめでとうございます。
さて、皆さんは、これまでの学生生活の中で、自分の夢の実現のために、多くのことを学び、たくさんのことを吸収してきたことと思います。
ウイルス感染拡大の影響を受け、大変な一年間だったとは思いますが、将来を期待し、胸を膨らませながら、いざ社会へと一歩踏み出そうとしているのですね。
皆さんの今後の目標は何ですか。コロナ禍の社会へ羽ばたく皆さんは、夢や希望と同じくらい不安もあるのではないでしょうか。
日本人医師としてパキスタンやアフガニスタンで活躍をされた福岡県出身の中村哲さんは、「平和とは観念ではなく、実態である」と考え、医療活動だけではなく、現地の人々のために命を懸け、その功績は、多くから認められました。著書の中に「大事なのは、与えられた場所でいかに力を尽くすか。深く考えず、その時その時の仕事に全力で取り組んでいます。」という言葉がありました。
皆さんも、目の前の不安を考えて前進する一歩をためらうより、その時その場所でやるべきことに全力で取り組むことを積み重ねながら、自分の道を切り開いていって下さい。
卒業して社会に出ても、本学で汗をかきながら学んだ日々こそが誇りであり、その中で出会った恩師や仲間こそが宝です。これからも誇りと宝を胸に、失敗を恐れずに前進し続
けてほしいと思います。大学同窓会も、本日の皆さんのご卒業を共に喜び、そして、皆さんの社会への一歩を応援しています。
  令和3年3月19日
                  中村学園大学同窓会 山河会 会長 河上 忠司